「兌為沢」症例2:40代女性

”喋れない不満”

月に1回来てくれるかた。
今回は、特に変わりないと言うが、
見た瞬間に頭が重くなった。
頭の上に靄がかかっている感じを受けた。
「どこか、重くないですか?」と聞いたら、
  「とくに、最近はいいほうです。」と答える。
そうかな?と思いながら、見せていただく。

横になってもらい診察した。
足は、肝経がやや緊張がある。
冷えもある。
腹はすこし左の緊張がある。
さらに意識を集中して気を流そうとしてもながれない。
頭の靄はとれない。
なにか問題があるはずだが。
御本人はとくにストレスもないという。

そこで起きてもらい、PTMで易をみてみた。
問は「身体の奥の問題は?」としてみた。
すると、「風火家人」「地火明夷」「火山旅」「兌為沢」などが反応した。
「風火家人」は家族など身内の問題を示す。
そこで「家族とか親戚に問題はないですか?」と聞いてみた。
  「母が腰椎の圧迫骨折して」とおっしゃる。
母の問題を被っている可能性が大きい。
「圧迫骨折で入院したんですか?」と聞いた。
  「入院するほどでなくて家にいます」
すると、骨折はひどくない。
高齢者にはよくある骨折だ。
何が問題なのか?
「兌為沢」なので”よく喋る人”かもしれない。
「よく喋りませんか?友達とか、家族とかと?」
  「そう、喋るのが好きで。。」
「そうすると、骨折で家にいるので、誰とも会えなくなっていない?」
  「そうなんです、いつも出ている人が外に出れない、それで落ち込んでいる」
それで、卦のいみがとれた。
「地火明夷」は地下に落ちた太陽なので、家に籠もっていることを意味する。
「火山旅」はもともと出歩くのが好きなのだろう。
「兌為沢」なので、おまけに人と喋るのが好きなひとだ。
骨折でできなくなったのが母のストレスになっている。
それを、娘さんが影響をもらっている

だからアドバイスとしては、「なるべくお母さんの家に行って、話相手になってあげて」、となった。
漢方は補中益気湯と抑肝散陳皮半夏を処方した。

コメント

●「兌為沢」は口をよく使う人にでる。喋るのがすき、食べるのが好きなど。

●また楽しみの卦なので「遊びに夢中」というのにも出たことがる。

●「地火明夷」は地下に落ちた太陽なので、認められず不遇な状態によく出るが、このケースでは家に籠もっていることを意味した。

●「火山旅」は、よく出歩く人に出る。家にいない人だ。